「寝違え」に鍼灸が効く理由 ~つらい首の痛みを東洋医学の視点からやさしくケア~

北大阪急行 千里中央駅直結、せんちゅうパル1階の鍼灸整骨院セラピ
自律神経のトラブル専門の鍼灸師 岡崎です!
とうとう7月になりました。
今年の夏もまたかなり暑くなりそうですね。
暑くなると、身体を冷やす行動が増えます。
そうすると、ぎっくり腰や、今回のテーマである寝違えの方が急増します。
痛い・辛い思いをしなくていいように、是非今回の内容を読んでみて下さいね(^^)/
はじめに:ある朝突然、首が動かない…
「朝起きたら首が痛くて振り向けない」
最近、ちらほらこの症状の方が増えてきました。
俗にいう「寝違え」です。
医学的には急性疼痛性頚部拘縮(難しい!)とも呼ばれ、筋肉のこわばりや関節のズレ、神経への刺激などが原因と考えられています。
今回はこの「寝違え」に、鍼灸がどのようにアプローチできるのかを、東洋医学的な視点も交えてご紹介していきます。
寝違えの正体:何が起きているの?
寝違えは、寝ている間に首や肩の筋肉に過剰な緊張が生まれた状態です。
よくある原因には、
◇枕が合っていない
◇睡眠中に冷えた
◇寝返りが打てないほど疲れていた
◇ストレスで筋肉が緊張しやすくなっている
といった状態が挙げられます。
これらの現象に特に関係する筋肉は、斜角筋・胸鎖乳突筋・肩甲挙筋などの首肩周辺の筋肉です。
首の筋肉って、意外と複雑なんです。
筋肉同士や筋肉と骨の間など、狭い隙間に神経や血管などの大事なものが通っています。
なので、これらの筋肉がこわばると神経や血流も圧迫されてしまい、つらい痛みや動かしにくさが発生します。
ちょうど、水が流れているホースの途中をぎゅっと踏みつけて流れを悪くさせている感じですね。
鍼灸でアプローチできること
寝違えに対して鍼灸ができることはたくさんあります。
特に注目したいのは以下の3つ。
1. 痛みの緩和
鍼を刺すことで、今痛みを感じている神経に直接アプローチし、「痛い」という信号を和らげます。
2. 筋肉の緊張をゆるめる
細い鍼で筋肉を優しく刺激すると、緊張していた筋繊維が自然にゆるみます。
深部のコリにも届くのが特徴。
3. 血流の促進
鍼灸の刺激で血のめぐりがよくなることで、酸素や栄養が届きやすくなり、回復力がアップします。
東洋医学の視点から見た「寝違え」
東洋医学では、寝違えは「気血の流れの滞り」によって起こると考えられています。
その中でも、特に関係の深い経絡は以下の2です。
●足の少陽胆経(たんけい)
ちょっと画像が見にくいと思いますので、なんとなくみて下さい。
側頭部〜首〜肩〜体側〜足の外側という風に経絡は巡行しています(正しくは目尻からスタート)。
寝違えに関しては、 首を横に向けられないときに特に影響があります。
手の太陽小腸経(しょうちょうけい)
こちらも見にくくてすみません。
この経絡は、肩甲骨の内側〜首の後ろ〜腕の外側と巡行しています(正しくは頬骨の辺りまで来ます)。
寝違えの時によく痛める経絡ですが、「肩甲骨の奥の詰まり感」があるときは特に影響が大きいです。
このような経絡の滞りを整えることで、自然な回復が促されます。
実際の鍼灸の施術例
以下は一例ですが、このような流れで施術を行います。
カウンセリング(痛みの状態、きっかけ、動かせる範囲の確認)
↓
触診(首・肩・背中などの筋肉の緊張や圧痛をチェック)
↓
鍼施術(首〜肩甲骨、背中、場合によっては手足のツボも使用)
↓
必要に応じてお灸(血流促進・冷えの改善)
このような流れで施術は進んでいきます。
施術の中で使うツボの一例もご紹介しますね!
風池(ふうち)
完骨(かんこつ)
風池や完骨は胆経の所属です。
体側を通る経絡なので、動きの中でも体をねじる動作に特に関係します。
普段の生活の中で体をねじる機会って意外と少ないので、気を付けないとケガが増えます。
寝違えもその一例です。
天宗(てんそう)
後渓(こうけい)
この二つは小腸経に所属しています。
主に上半身の動きに関係があるのですが、特に肩甲骨周りや首の動きに影響します。
天宗のこりや後渓のこわばりは、どの患者さんにもみられるので気を付けないといけません。
そして、施術だけでなくセルフケアもとても大事です。
鍼灸のあと、回復を早めるためには以下の様なご自宅でのケアもおすすめです。
■首を冷やさないように注意→ タオルを巻いたり、スカーフで保温を。
これからの時期、電車やバス、車内などいろんなところからエアコンの風が吹きつけます。
気付いたら冷えているので要注意!
■湯船でゆったり温める→ 38〜40℃のお湯に10〜15分が目安。
※ただし、急性期で患部に熱感や腫れた感じがある時は、入浴は避けてシャワーで終わるようにしてください!
上記の様な炎症反応がある時は、湯船につかると悪化する場合があります!
■軽めのストレッチ→ 肩甲骨をゆっくり動かすだけでもOK(※痛くない範囲で!)
寝違え真っ只中ではやらない様に。
普段から痛くならない様にやるのが、本当のケアです。
難しい事をしなくても大丈夫です。
えっ、こんなんでいいの?というレベルの事で十分ですからね。
最後に:忙しいあなたにこそ、体の声を聴いてほしい
仕事・家事・育児に追われる日々。
「寝違え」は心身が限界に近いサインかもしれません。
そんなときは、少しだけでも自分のための時間をとって、
体の声に寄り添うやさしいケアとして、鍼灸を選んでみてください。
自律神経や免疫の問題、血流改善などは鍼灸治療の得意分野です!
「寝違えを何度も繰り返す…」そんなお悩みがある方は、
ぜひ一度、鍼灸で体を整える選択をしてみませんか?
きっと、今よりもっとラクに、軽やかに動けるようになりますよ
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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今回のまとめ
●寝違えは筋肉の緊張や冷えが引き金
●鍼灸は痛みの緩和・筋肉の緩和・血流促進に効果的
●東洋医学では経絡の詰まりとして捉え、全身の調整も重視
●忙しい方にこそ、自然でやさしいケアとしておすすめ