五十肩や肩関節痛に対するセルフケア方法
北大阪急行、千里中央駅直結、せんちゅうパル1階の鍼灸整骨院セラピです。
引き続き肩に関するお話になりますが、最近当院にご来院されている患者様に
ストレッチや体操など、どのようなセルフケアを行えばいいのか質問されることが
多くなってきましたので簡単にまとめてみたいと思います。
(症状や発生してからの期間によって行うべきセルフケアは変わりますので、
あくまでも一つの参考としてお考え下さい。)
前回までの肩に関する記事でも説明しましたが、痛みが出て、間もない時期を急性期と言います。
この時期は、肩を動かさなくても痛い時期なので、無理に動かすと、
悪化する恐れがあり、基本的には安静にするのが重要です。
急性期が過ぎ、安静にしていれば痛みが出ない状態になってから、運動を行うようにします。
また、他の症状と違い、五十肩の場合は、程度に差はありますが、安静にしていても、
痛い状態が、数か月以上も続くことがありますので、注意が必要です。
それでは、本題のセルフケアの方法ですが、基本的に考え方としては
拘縮が進み、硬くなっている組織(筋肉、靭帯、関節包)は、ストレッチで伸ばしたり、
軽い抵抗を加えて運動を行い、弱くなっている筋肉は、筋力の強化を行う必要があります。
具体的には、拘縮している組織のうちの靭帯や関節包は、自分でストレッチを行う事が難しいので、
筋肉に対してストレッチを行う事になります。
肩の表面には、三角筋という大きな筋肉が存在していますが、
この筋肉は、直接転倒して肩を地面にぶつけたりなどしない限りは、
大きく損傷することは比較的少なく、多くの場合問題になるのは、
深層に存在する腱板と呼ばれる筋肉です。
腱板とは、肩関節を安定させるために存在している筋肉で、
棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋肉を指します。
この筋肉は、肩の細かい動きに関与しているので、
運動を行う際は、肩のポジションをこまめに変えて行う事が重要です。
方法は、1キロや2キロの軽いダンベルを用意していただき、
(ダンベルが無ければ、水の入ったペットボトルで代用可能です。)
脇を閉じた状態で、肘から先だけを開いてください!!
続いて、脇を開いた状態で、肘から先だけ上に上げてください!!
また腕を下ろし、肩を後ろに引いた状態で、内側に捻るを動きを繰り返します。
また肩のリハビリで有名なコッドマン体操があります。
この体操は、椅子やソファの上に左手と左膝をつき、右側の肩をぶらんと下げた状態にします。
そのまま右手で、軽いダンベルや水入りのペットボトルを持ち、肩を前後に大きく動かしていきます。
(右肩が痛い場合を想定しています。)
この際、肩に強い力を入れる必要はありませんので大きく前後にぶらぶらと動かすようにしてください。
最初に肩の位置を変えて、各方向に軽い抵抗下で運動を行うことによって、
腱板の筋肉が緩んだ状態になりますので肩を動かせる範囲が少し増えます。
その動かせる範囲が少し増えた状態で、体操を行いしっかりと可動域を確保してあげることが重要です。
ここまでの運動が硬くなっている組織を柔らかくするために必要な運動です。
つぎに弱くなっている筋肉を強くする必要がありますので、背中の筋肉の運動を行っていきます。
具体的には、僧帽筋の中部、下部繊維の筋力を強化する必要があります。
背中の上半分に僧帽筋という大きな筋肉が存在していますが、
この筋肉は、非常に大きいので上部、中部、下部と分けられていて、
特に、中部と下部の繊維が弱くなりやすくなっています。
肩関節に、痛みがあるほとんどの方の肩甲骨は、正常な状態に比べ、背骨から離れてしまい、
肩が前に入っているような状態になりますので、この筋肉が弱くなっていることが非常に多いです。
筋力強化は、いろいろな方法で行うことが可能ですが、手軽で簡単にできるものをご紹介したいと思います。
一つ目の方法は、タオルを用意していただいて両手で持ちます。
そのまま腕を挙げて、バンザイの状態をつくります。
そのまま軽く胸を張った状態で、肩を動かさずに肩甲骨を背骨に近づけるように背中に力をいれます。
文章にすると説明が難しいですが、下の写真を参考にしていただき、
矢印の方向に力を入れるような感じです!!
もう一つの方法ですが、先ほどの方法と同じく両手でタオルを持って、
そのまま体を前屈させていきます。
(このとき腰とお腹に力を入れて腰が丸まらないよう注意してください!!)
その体勢から肩や肘を動かさないようにして、胸を張るような形で、肩甲骨を背骨に近づけていきます。
一つ目、二つ目のどちらも肩甲骨を背骨に近づける胸を張るような運動です。
先述したストレッチや体操を行った後に、しっかりと僧帽筋を鍛えてあげることによって、
肩のポジションを正しい位置に近づけていくことが可能です。
回数やセット数についてですが、腱板の筋肉の運動やコッドマン体操については、
軽い力で大丈夫ですので、15回~20回ほど反復していただき、
肩が暖かくなってきたら次の種目に移るようにして下さい。
先述した腱板の4つの運動をセットにして行っていただき、3セットほど行っていただければ十分です。
そのあとの僧帽筋のトレーニングは同じく15回~20回を1セットとして、3セット行うようにして下さい。
ここまでの運動をしっかりと行っていただくと、運動前に比べて、肩を動かせる範囲が、
増していると思いますので、その状態でストレッチなどを行っていただくと、
さらに効果的ですので、肩に痛みを抱えている人は、是非試してみてください。
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インスタグラムでは、動画で今回の運動を紹介していますので、ぜひご覧ください!!